ユーキ

沈黙の観察者──風見雄二、危機を断つ

夕暮れの町外れ、寂れたコンビニ跡

風は止まり、空は赤く染まっていた。町の片隅に立つその姿は、まるで何も語らず、ただ見つめる影のようだった。

サクラの静かなモーター音。クイーン、運転席で目を閉じている。

…感情に流されれば、状況は見えなくなる。
まずは情報。全てはそれからだ。

トランクを開けると、そこには黒を基調としたミリタリースタイルの装備と風見雄二の衣装。

今日は“観察者”の役を演じよう。風見雄二…任務開始。

町の小さなファストフード店

お兄ちゃん…昨日から帰ってきてなくて…。あの不良たちに目をつけられてたの。絶対何かあった…!

焦らないことだ。問題はすでに発生している。
なら、すべきことは状況把握と、排除。それだけだ。

夜の倉庫街

クイーン、影に紛れて潜入。

アイツ、兄貴面しやがってムカつくんだよ!

ま、今頃は仲間が“教育”してるさ。証拠も残らねぇ。誰にも言えねぇようにな!

そこへ足音。クイーンが無言で立つ。

話は聞かせてもらった。
お前たちは、手遅れという言葉の意味を、まだ知らないようだな。

次の瞬間、無駄のない動きで不良たちを制圧。

ミサキの兄を救出

…誰だ、あんた…?

通りすがりの、コスプレ愛好者だ。

翌朝、静かな別れ

…本当にありがとう。あなたのおかげで兄が助かった…!

…礼はいらない。状況が整ったら、それでいい。

サクラのドアが静かに閉まり、発進音と共に朝日を背に走り出す。

彼女は語らない。ただ観察し、必要な時だけ動き、すべてを解決する。
風見雄二――その姿に宿るのは、静かなる正義と、揺るがぬ意志。


次回予告「華麗なるプリズム!レディ・パーフェクト、舞台に降臨」