不思議の国のアリス

不思議の町に迷い込んだ日——コスプレクイーン、アリスになる!

町外れ・サクラが走る

桜色の軽EV「サクラ」が穏やかな田舎町へ入っていく。

この町、どこか現実に縛られている気がする…。
夢見る心が、小さくなってるみたい

助手席には、不思議の国のアリスの衣装が畳まれている。

空き地の木陰

ユウナが一人、落ち葉の上で空想の物語をスケッチしている。

お話って…誰の役にも立たないのかな…?

ふと、目の前に影が落ちる。

ねぇ、ハートのうさぎを見なかった? 白くて、耳がふわふわで、ちょっとせっかちなの

えっ!? 本物のアリス…?

学校の講堂

町の子どもたちが集められ、校長が講話している。

空想ばかりしていては、社会で生きていけません。
遊びではなく、現実を見るべきです

そこに現れるクイーン・アリス。

現実だけじゃ、心が息切れしてしまうわ。
想像の世界は、“心のストレッチ”よ

クイーンがユウナと即興で“お話の朗読劇”を始める。子どもたちが夢中になっていく。

夢と現実の狭間

舞台が不思議の国のように変化。アリス=クイーンが子どもたちを導く。

ぬいぐるみのハートさんが“想像の中で”動き出し、ユウナの物語を手助けする。

夢を信じる子がいる限り、物語は続くんだよ!

学校の外・夕暮れ

校長先生、ぽつりと立ち尽くす。

…私も、昔は空想の絵本を描いていたんだ。
いつの間にか…忘れていたな

クイーンが静かに校長の前に絵本を差し出す。表紙には、若き日の校長の名前。

町を去る前・サクラの中

クイーン、髪飾りを外しながらユウナのスケッチブックをめくる。

想像の翼が、未来のドアを開く。
この町の空にも、また風が吹き始めたみたい…

エンジンがかかり、サクラが静かに出発する。

不思議な町に魔法の風を残し、コスプレクイーンは今日も走る。
夢と想像の地図を片手に——