宮野 明美

姉の面影を継いで──コスプレクイーン、明美の優しさで解決!

夕暮れの町。さびれた商店街に佇むひとりの少年。

その少年は、誰にも言えぬ秘密を抱えていた。そして、町に舞い降りたのは──あの“彼女”のような姿をした謎の女性。

愛車・サクラがゆっくりと角を曲がる。

……あの瞳、助けを求めてるわね

ホテルの部屋で黒のロングコートに着替え、茶髪のショートウィッグを整える。

今日の私は“明美”――命をかけても、大切な人を守る人

イヤリングをつけ、深く帽子をかぶる。

ねえ、大丈夫? 一人でこんな時間まで……怖くない?

少年に接触するクイーン=明美。

お姉ちゃんが…帰ってこないの。知らない人と車に乗ってから…

手がかりは“黒いセダン”と“偽造ID”。クイーンの表情が曇る。

【追跡】

防犯カメラを調べ、車のナンバーを特定。廃倉庫へ潜入。

口封じだ。証拠を消せ

中では組織まがいの男たちが少女を取り囲んでいる。

その命令、取り消したら?

優雅に、しかし鋭く動くクイーン。明美の冷静さと愛を宿した瞳が光る。

少女を抱き寄せ、最後の敵を投げ飛ばす。

お姉ちゃんの代わりに、迎えに来たよ

少女と少年が再会し、涙。

ありがとう、明美お姉ちゃん……!

クイーンは背を向け、サクラの助手席に小さなぬいぐるみを置く。

明美さん……あなたの優しさ、私は受け継ぎましたよ

この町にまた一つ、優しさが戻った──コスプレクイーン、走るは希望の名のもとに。