針と糸の冒険 〜色んな縫い方をマスターせよ!〜

放課後の裁縫部。今日はいつものように、家庭科の先生が部員たちに新しい技術を教えてくれる日だった。

今日は、いろいろな縫い方を練習しましょう。

まつり縫いはもう覚えたわね? 今日は、それに加えて『本返し縫い』『半返し縫い』『並縫い』もやってみましょう。

裁縫部の部員たちは、それぞれ練習用の布を用意する。

よーし、がんばるぞー!

ひまりも自分の針と糸を手に取り、やる気に満ちた表情を浮かべる。


まずは基本中の基本、「並縫い」から。

並縫いは、針を布に通して、同じ間隔で縫うだけのシンプルな方法よ。しっかり縫うには、針目の大きさを揃えることが大切ね。

ひまりは針を布に通しながら、小さく息をつく。

シンプルだけど、均等に縫うのが意外と難しいなぁ…。

隣で見ていた美咲が、ひまりの針目を覗き込む。

でも、最初よりは上手になってるよ!

えへへ、ありがとう!

続いて、本返し縫いをやります!

本返し縫いは、並縫いより丈夫な縫い方よ。針を一度戻してから進めることで、しっかりと布を縫い留めることができるの。

ひまりは慎重に針を進めるが、何度か間違えて糸が絡まってしまう。

あぁ〜っ!戻る場所間違えた!

ひまり、焦らずにね。ゆっくりやれば大丈夫!

うん、落ち着いてやってみる!

時間をかけて慎重に針を動かし、やっと綺麗な本返し縫いができた。

できたー! 丈夫そう!

先生がにっこり微笑む。

とても上手にできたわね。しっかり縫えてるわ。


続いて、半返し縫いをやります!

半返し縫いは、本返し縫いほど強くないけれど、ほどよい丈夫さがあるわ。服の仕立てにもよく使われるのよ。

ひまりは、一針ごとに半分だけ戻る動作に戸惑いながらも、少しずつコツを掴んでいく。

おぉ、なんかバランスがいいかも!

ね!並縫いより丈夫だけど、本返し縫いより軽い感じだね!

そうね。それぞれの縫い方には役割があるから、場面に応じて使い分けられるようになるといいわ。

ひまりは感心したように頷く。

縫い方って、ただ縫うだけじゃなくて、ちゃんと意味があるんだね…!


練習が終わった後、ひまりはふと思い出す。

あっ、そうだ。私のスカート、ちょっとほつれてたんだ…!

先日、裾直しをしたばかりのスカートの一部が、少しだけほつれてしまっていた。

それなら、本返し縫いで補修してみたらどう?

なるほど!

ひまりは、慎重に本返し縫いでほつれた部分を縫い直す。

できた!これなら、もう簡単にほつれないよね!

先ほど練習したばかりだから、針の動きもスムーズだ。

ええ、とても上手に縫えているわ。これからも、もっと色んな技を覚えていきましょうね。

ひまりは、裁縫がますます楽しくなってきたことを実感する。

うん! もっと色んな縫い方を覚えて、いろんな服を作れるようになりたい!

ひまりの瞳が、未来の自分に向かって輝く。

私もコスプレクイーンになるんだ!

こうしてまた一歩、彼女は裁縫の世界に踏み込んでいくのだった。


このエピソードでは、ひまりがまつり縫いを覚え、それを実生活で活かして自分の制服をアレンジする成長を描きました。裁縫の技術が、ひまりの自信を深め、次のステップへと進む力になる様子が伝わるように描かれていることでしょう。

前ページへ目次次ページへ